先日、「早期療育」についてのツイートが流れてきて思った事を、頭の中を整理するためにちょいと吐き出します。
私は「早期療育」自体はとてもいいものだと思っています。
けれども、「早い目に療育を受けた方がいいよ!」「早期療育を受けないと手遅れになるよ!」といった事を聞くたびに、すこし引っ掛かりを感じていました。
今回、「療育は早めに受けた方がいい」と「早期療育を受けないと手遅れになる」について、私自身どう感じているかをお話しさせてください。
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療育は早めに受けた方がいいのか
先に結論を言っちゃうと、私自身は「早めに療育が受けれるのなら受けた方がいい」という意見です。
ただ、その大前提として、当事者(または当事者の保護者など)が納得していたり、必要だと感じた場合って付け加えたいです。
困り感を感じている当事者が、療育を受けれるのなら受けたい!って気持ちがあるのなら、早い目に受けるに越したことはないです。
なぜかっていうと、やみくもに孤独に頑張り続けていてもしんどいですし、1人だと視野も狭くなりがちだから。
サポートを受けることができるのなら、受けて損はないと思います。
あくまで私の場合ですが、療育(我が家は訓練ですが)を受けて良かったと思う点は主に3点
① 療法士さんがうまく息子の気持ちを乗せて誘導してくれたおかげで、息子が前向きに取り組むことが増え成長した
② 療法士さんと息子のやりとりを見て、私自身も学ぶことが多く日々の生活に役立った
③ 相談できる人がいるので、孤独に頑張っていた時よりも視野が広くなった
もちろん、支援員さんとの相性もあるんで一概には言えないかもしれませんが、私は息子の療育(訓練)を受けて親も子も救われました。
たぶん、孤独に頑張り続けていたら今頃詰んでたんじゃないかなぁと思うほど。
なので、療育を早く受けた方がいいっていうのは、あながち間違いではないとは思います。
その一方で、この「早く療育を受けた方がいい」の言葉を聞くと、どこか引っ掛かりを感じる時があります。
早く受けた方がいいのは受けた方がいいと思うんですよ。
早くから受ける方が伸びるとも聞きますし、親も子も苦しむ期間が減りますし。
自分でもどう言い表していいかわからないのですが、「そうなんだけど、それだけじゃない」何かを感じていました。
早く療育を受けないと手遅れになるのか
ここでもう一つの「早く療育を受けないと手遅れになる」という言葉です。
「早く療育を受けないと手遅れになる」というのも、ちょくちょく聞く言葉ではあります。
この「早く療育を受けないと手遅れになる」については、私は大反対意見です。
何かきっかけがあって、本人がやろうと思えば、いつからだって始められるものだと思っているからですね。
いつまでにやらなくちゃ出来ませんってもんではないんじゃないかなと。
早くから始めた方が吸収しやすく伸びがいいってだけで、手遅れかどうかは別問題だよなーと。
そして、よくよく考えてみると、「早期療育しなくちゃ手遅れになるよ!」って、私のまわりではどちらかというと関係のない外野が言ってる気がします。
同じように問題を抱えている立場の方からは聞かず、発達障害って言葉は知っているけれど、中身はあまり知っていないんじゃないかな?と思うような方々から聞くんですよね。
(「外野」と表現していいのかどうか微妙なところではありますが、ここでいう「外野」は「家族や医療機関など当事者と関係者以外」って意味で捉えてください。)
良く知りもしないのに「療育へ行くべき!手遅れになるぞ。」という言葉を聞くと、とりあえずいい学校へいっておけば安心と思ってるような危うさを感じます。
とりあえず、「早くから療育に行っておけば安心でしょ。」っていうような軽さっていうんかなぁ。
学校に合格するのがゴールになってて、入学してからのことが抜けているような感じといいますか。。。
療育も、「療育を早くから受ける」だけに焦点がいくとちょっと残念ですね。
療育をいつのタイミングで受けるかは、関連施設が当事者や家族と話し合って決めていくもんだと思うんで、勝手に外野が手遅れやのなんやの判断してワーワーいうのは余計なお世話しかないよなって思います、
手遅れ手遅れ言っている人は、いつからが手遅れって考えなんでしょうね。
そもそもなぜ手遅れだと思っているのか。。。
すっげぇ謎!
若さによる吸収のペースや、年齢を重ねて凝り固まった考えを崩しにくいなどの違いはあるだろうけど、本人の気持ち次第で成長していけるもんだと思っています。
「早期療育を受けなければ手遅れ」は呪いみたいなもん
ハッキリ言わせてもらうと、「早期療育を受けなければ手遅れ」は呪いの言葉だと思います。
(本人が明らか困り感を抱えているのに、親が受け入れずに放置のケースはまた違ってきますが)
私自身は日々の生活で困り感を抱えているのなら療育はおすすめしたいです。
困り感に対してどうしていくかの先が見えてくるので、子どもだけでなく親にとっても救いになるからです。
じゃあ、早期療育を進めてもいいじゃん!って思われるかもしれないですが、それはちょっと待ってほしいです。
かなりデリケートな問題なんで、関係ない第三者がズカズカ踏み入っていくのはとっても危険です。
っていうのが、本人も親も困り感を感じていない場合だと、いきなり「早期療育受けなきゃ!」って言われるとビックリしちゃうからですね。
たぶん診断つくだろうなぁと思っていた私だって、いきなりママ友から療育の話なんかされたらぶったまげます(笑)
「あー、この人は子どものことをそういう目で見ているんだろうな。」と。
(実際そうだけれど、改めて烙印を押されるような感じといえばいいのかもしれない)
そのうえ「手遅れになる!」と畳みかけられたとしたら、めっちゃ圧がかかります。
1人で思い悩んでいる人なら、かなり焦ってしまうかもしれません。
もう呪いでしかないですよ。
「心配しているだけ。」「良かれと思って言っている!」って思われるかもしれませんが、かなり無責任に相手を追い詰める発言でもあるってことを頭の片隅にでも置いといて頂けると幸いです。
正直、専門家でもなんでもない人からの適当な手遅れ発言は、気にしなくていいと思います←
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個人的結論!食い違うから呪いになる
早く療育を受けた方がいいとしつつも、自分の中でどこか引っ掛かりを感じていた理由がちょっとわかって来ました。
療育を受けたいと願うなら受けた方がいいっていうのは揺るぎません。
「早ければ早い方がいい」という言葉も聞きますが、実際問題早くから動き出せる人がどれだけいるかなと。
発達障害の知識がある方や、上の子がすでに診断されているという場合、気づくのが早く早期から療育を受けやすいんだと思います。
けど実際は、自治体によるとは思いますが、療育を受けるとなるといろんな手続きが必要です。
診断がないと受けることが出来なかったり、受給者証を取得したりしなくちゃいけないなどの条件があります。
まわりがどんなに「早期療育!」と騒ぎ立てても、すぐに受けられるってわけではないんですよ。
診断が必要と言われたら、診察をする必要があるけれど、診察までの待ちがすでに長い状態。(4か月から半年は待った)
それ以前に、発達の相談機関などでは、決定的な困り感が現れるまでは「様子を見ましょう」なんですよね。(個人的推察)
かなり積極的に動かないとスムーズには行きません。
なので、決定的な困り感が現れて園から声がかかったとしても、すぐに「わかった!行ってくる!」と療育にはすぐに行けないのが辛いところです。
息子の場合、発達相談所には1歳半から通っていました。
私は二次障害が怖く、出来るだけ早く対処したいと思い積極的に動いてたつもりですが、それでも療育(訓練)を受けることが出来たのは4歳になってからです。
けど、たまに言われます。
「なんでもっと早くに対処しなかったの?」って。
言われる度に思います。
「早くに対処できるならやりたかった」と。
実際に、療育を受けるまでにどう動けばいいのかがあまり知られていないんですよね。
(本当にかなり積極的にいかないと教えてはくれない)
それに、当事者でなければ、発達の遅れを受け入れるまでの葛藤なんかは理解しにくいものがあるのかもしれません。
どちらかというと、自分の子どもの発達を指摘されたとして、すぐに受け入れられる人の方が少ない気がします。
(親自身もなんとなく発達障害かもと自覚している方は、わりとすぐに受け入れている印象あるけど)
一部である「発達障害=早期療育しなくちゃだめだ」という強い思い込みと、実際の療育を受けるまでの道のりや感覚の差が呪いを生み出しているんじゃないかなぁ?
あとは、たまにある早期療育組のマウントとかですかね?
いろいろありますが、呪いにならないように気を付けていきたいもんです。
と、いろいろ吐き出したけど、まとまり切らなくてすいません。
私が言いたいのは「早期療育しなくちゃ手遅れになるは違う。」って事と、「関係のない外野による押し付けの療育の勧めはやめようぜ。」って事です。
伝えたいけど伝えきれない文章になっててすいません。
ここまでお読みいただいてありがとうございました。
参加中
コメント
はじめまして。最近このブログの存在を知り、時々読ませて頂いてます。
娘が自閉症で現在年中の女の子です。
早期療育の呪縛、ありますね~。とてもよく分かります。
似たような理由で私もやたらもやもやしたことが(^^;)
いざ診断が出てみた時、私はもう事実を受け入れるだけでいっぱいいっぱいでした。
そんな時に呪縛となった早期療育。早ければ早い方がいいという恐ろしい言葉。
療育させねばと動いてみても、実際手続きは大変だし、焦りが空回りするばかり。
私の住んでいるところは、市で行ってくれる週一の療育教室があります。
その点、比較的恵まれているのかもしれませんが、ただ、その教室は年度契約でそこからもれると一年待たないと入れません。
今年度はそこの抽選に漏れて、その教室で受けられる療育は昨年度の週1回から月2回に減らされました。
病院とのSTと並行して通いましたが、当時娘の言葉が3つしか出ていなかったこともあり、とにかく療育機会が減ったことに焦りました。
そしてその焦りから不眠症に悩み、どうにもならない状況を病院の先生に相談したところ…
「療育は療育の場に通うことだけが療育ではありません。家庭でお母さんと何かをする経験や他の誰かと関わっていく行為そのものが療育と言えるんです。今これをやらなかったからダメなんだ、間違いなんだなんてことはないんですよ。」
…の言葉に救われました。
それから、自宅で音声模倣を繰り返し、時期も良かったのか半年前にやっと言葉が出てきました。
今では繰り返しが多いものの、起きている間はずっとしゃべっているかんじになり、ほっとしています。
言葉が出てきたからって問題が全部解決したわけじゃないけれど、今はこれでいい。
きちんとした療育を受けさせたいのはもちろんですが、早く…早く…と焦るのはホント違うよな、と思います。
つい、長くなりました。まとまりがなく、すみません~(^^;)
もちゃこさん>コメントありがとうございます。
時々お読みいただけているとはとても嬉しいです!ありがとうございます♪
娘さんも息子と同学年なんですね。
そして、やはり早期療育の呪縛はありますかー。
なんかこう早く早くと焦らされますよね。
でも、実際は手続きやのなんやので療育までたどり着く道のりが長いといいますか。。。
この辺の差が、余計に苦しさに繋がっているような気がします。
それから、市で療育教室を開催してくれているのは嬉しいですね。
とはいえ、やっぱり抽選があったり町が長かったりという過酷な状況。。。
それだけ療育を必要としている人がいるという事だけれど、皆が療育を受けるには難しいという現実。
いろいろと厳しいです。
それにしても、もちゃこさんの病院の先生のお言葉が素敵ですね。
「療育は療育の場に通う事だけが療育じゃない~」は、本当にそう思います。
療育に通うだけがすべてではなく、いろんな関りを通して成長していくものですもん。
「療育に通っている」と聞くと、親も何か対策してんだなと見えやすくわかりやすくはあるんですが、家での対策は外からは見えにくくわかりにくいですから(;´∀`)
もちゃこさんは娘さんに寄り添い関わられててすごいです。
娘さんの成長がとても嬉しいですね。
お互い一歩ずつ積み重ねていきましょう♪
早くと焦らせる空気があるけれど、ほんと毎日の積み重ねが実を結んでくるもんだと思います。
コメントとても嬉しかったです。ありがとうございます(*´▽`*)